楽遊原 2012 10 6
楽遊原 李商隠
向晩意不適
駆車登古原
夕陽無限好
只是近黄昏
晩に向んとして意適せず
車を駆って古原に登る
夕陽無限に好し
只だ是れ黄昏に近し
夕暮れ時、心が落ち着かなくなり、
車を走らせ、丘の上に登る。
丘の上から見る夕陽は、限りなく美しい。
しかし、この夕陽は終わりに近く、消えていく。
「楽遊原」は、長安の都の郊外にあった丘のことです。
都に住む人は、この丘に登って、景色を眺めたそうです。
この漢詩は、単に夕陽を眺めたものではありません。
この詩が詠まれた時代背景を考えると、
あるいは場所を考えると、政治的なものだったと言えます。
(参考文献 「朗読で味わう漢詩」 石川忠久 青春出版社)
中国で活動する日本企業に対して、
多大な協力を惜しまなかった中国人のために、
この漢詩を送ります。
(参考)
李商隠は、晩唐の三大詩人の一人です。
「唐」は、最盛期には中央アジアの砂漠地帯まで支配する大帝国だったのです。
同時に、文化の面において世界を照らす帝国でもあったのです。
私は、唐時代の文化が好きです。